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うそを書きます。
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今日はなんだかやる気が起きなくてごろごろしました。

ママが寝ているとkokoが起こしに来ます。
「やめてよ、koko、ママは今日は何もしたくないの」
「マーマ、マーマ」
「今日はママお休みするの」
「マーマ、マーマ」
「しないの!」
kokoを避けてふとんにもぐりこみました。

「…ちっ」

「ちょっと待てkoko!今なんと?」
「マーマ!」
「いいや、今舌打ちしたね?」
「マーマああ」
「甘えた声出してもごまかされないよ!」
「んー…」
甘えてくっついてきました。

ぬううう。 

 
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今日は仕事に行きました。

kokomamaの仕事は実は地面の下でする仕事です。

職場の入り口は麹町にあります。

建物の中に入って、エレベーターに乗って地下に行きます。
エレベーターを降りると、真っ暗なので、手持ちのランプに火を入れます。
暗い中で火がちらちらと動くので、なかなか風情があります。
もしかしたら、初めてのひとは怖いかもしれませんね。

歩いていくと部屋があって、そこがkokomamaの職場です。
机の上にランプを置いて、他の人たちが掘った土くれを検査します。
kokomamaは責任者なんです。偉いんですよ。

「kokomamaさん、これなんですけど…」
「これって…この間も言ったじゃないの、こんな大きなかたまりじゃ、その本質というのはわからないのよ?
もっと小さくして持ってきなさい」

「kokomamaさん、これどうでしょう?最近の中じゃ、一番だと思うんですけど」
「いいわね、この調子でいってちょうだい。ところで先日の石ころの件はどうなったの?」
「それはまだ結果が出ていません」
「あら…担当部署に急ぐように言ってちょうだい」

今日もバリバリ仕事をこなしましたよ。
ちょっと目は疲れますが、お給料はいいし、いい職場です。


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お姫様は、ついにおとなりの国の城下町に入りました。

豊かなおとなりの国の城下町の賑わいは、お姫様の国とは比べるすべもありません。

お姫様はお城に近い宿に入り、侍女の部屋から持ってきた財布で宿賃を支払いました。
(代わりのものを置いてくるのは忘れてしまいました、しょうがないですね、急いでいたんですから)
そして体をさっぱりとさせ、持ってきた優美なドレスに身を包みました。
もちろん、ドレスに合った靴もはきました。

そしておとなりの国のお城に行きました。

お城の門を守っていた衛兵は、おしとやかなお姫様の、これ以上ないおしとやかなお辞儀に、ふだんは横柄な態度をつつましく礼儀正しい態度に変えました。

「あなたはどなたですか?」
「ポポロン姫と申します」

なぜこんなところにおとなりのポポロン姫が?
信じがたい思いでしたが、目の前のお姫様は容姿だけでなくその物腰までも、高貴な出自であることを物語っていました。
衛兵はお姫様をおとなりの国の王様の下にお通ししました。

王様も信じがたい思いでしたが、目の前のお姫様を見て疑うわけには行きませんでした。

ポポロン姫はお城が悪いけだものに思うさま荒らされていることを伝え、おとなりの国の王様に助けを請いました。
おとなりの国は強い国です。

おとなりの国の王様は、お姫様の国のお城に軍隊を差し向け、一気にけだものを討伐し、ついでにお城をおとなりの国の支配下に置きました。

おしとやかなお姫様は軍隊の総指揮を取ったおとなりの国の二枚目な王子様と結婚して、生まれ育ったお城で幸せに暮らしました。
(王子様にはフィアンセがいたのですが、お姫様を一目見た王子様は、運命的な恋に落ちたのです)

おしとやかなお姫様のお父様である王様は、塔のてっぺんの元お姫様のお部屋で、おだやかな隠居暮らしをすることになりました。


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お姫様は本格的に走り出しました。

速い速い。
景色は飛ぶ飛ぶはるかかなたに。

はるか遠くでは、お城が半壊しています。
城下町の人たちも、お城の様子に気がついて悲鳴を上げていますよ。

それでもお姫様は走る走る。
野原を越えて川越えて。
森も林もなんのその。
お山も一気に走りぬけ。

ところで、お山はとなりの国との国境でした。
お隣の国に入りましたよ。

お隣の国は豊かです。
金色にゆれる麦の穂も。
たわわに実る赤い実も。
牛も羊もひとより多く。

お姫様は、走る走る。


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お姫様はなにしろおしとやかな方でしたから、そんなに走ったのは生まれて初めてでした。
しかし、やってみないとわからないものです、お姫様は天性のスプリンターだったのでした。

お姫様は軽く軽く、飛ぶようにお城から離れていきます。
エレベーターもない、広いお城をひたすら歩いて移動し(なにしろお姫様のお部屋は高い塔のてっぺんだったんですから)、日々広大なお庭を散歩して過ごしたお姫様です。
ほっそりしたふくらはぎにはししゃもの腹のような筋肉がついていました。

始めのうちは、侍女のドレスを足に絡まないように、しかし必要以上に肌を見せないようたくし上げて走っていましたが、途中でお姫様はそれではとても走りにくいことに気がつきました。
あっという間に城下町についたお姫様は、たてものの陰に隠れて息を整え、そばに干してあった動きやすそうな服を拝借しました。
もちろんお姫様ですからね、その服があった場所には、ダイヤのついたイヤリングを片方、ぶら下げておきました。

その頃には、お姫様のお部屋のあるお城の塔は、がれきと化して崩れ落ちていました。
どうやらけだものは暴れたようですね。

さあ、おしとやかなお姫様は本格的に走りますよ!



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“ママ友ゼロの育児”ブログと“kokoのおもちゃカタログ”というブログもやっています。
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