昨日はキャンプに行きました。
山の中の、川の流れのそばにあるキャンプ場です。
そのキャンプ場には水を欲しがる少年が出ると言われています。
その少年には、水を与えたり、
水のあるところを教えてやったりしてはいけないのです。
すぐそばに川があるのですが、
「水ならそこにあるじゃん」なんてことも言ってはいけないのです。
そう、昨日の夜のことです。
バーベキューをして、
後片付けをして、
kokoと夫をテントに残して外に用足しに出ました。
そのときに出会ってしまったのです。
水を求める少年に。
痩せこけた少年でした。
この寒いのに、シャツ一枚のような寒々しい格好をしています。
恐ろしい存在だということは目を見ればわかりました。
まばたきをしないのです。
少年はそのまばたきをしない目でわたしをじっと見つめて、
「水を分けてくれませんか」と言いました。
わたしは、「水はありません」と答えました。
少年はさらにじっとわたしを見つめて、
「キャンプに来たのに水がないのですか」
「本当はあるんでしょう」とにじり寄ってきます。
わたしは恐ろしさに身をすくませていましたが、
最後まで、「水はない」「どこにあるかも知らない」で通しました。
しばらくすると少年はわたしのことをじっと見つめながら
遠ざかっていきました。
わたしは冷や汗でびっしょりになりながら、
夫とkokoの待つテントに戻りました。
結局昨夜は恐ろしくて一睡もできませんでした。
翌日近くでキャンプを張っていた男性が
川の中に沈んでいるのが見つかりました。
きっとあの男性は少年に水のありかを教えてしまったに違いありません。
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